「わたしは生きていける」から始まる戦争映画の世界

戦争と言う物は私たちにとって過去の出来事ではありません。今も確かにそれは世界中に存在していて、また日本でも引き起こる確率のある普遍的な脅威となっていると私は思います。本作品「わたしは生きていける」は戦争というモチーフの中で生きていく子ども達に主眼が当てられた、戦争映画というなんかよりも青春映画に近い物になってはおりますが、それでもやはり考えさせられてしまいます。このサイトではそんな「わたしは生きていける」という映画についてと、その他オススメの戦争がテーマとなっている映画について紹介していきたいと思います。

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アメリカンスナイパー


 一人の伝説的スナイパーを描いた映画『アメリカン・スナイパー』はアメリカ合衆国内で大きな反響を巻き起こした映画です。実在するスナイパーである、イラク戦争に4度従軍したクリスカイルが書いた自伝である『ネイビーシールズ最強の狙撃手』を元にして、ジェイソンホールが脚色を行い、最終的にクリント・イーストウッドが監督をつとめました。また、主演はブラッドリー・クーパーがつとめ、2015年1月までの間に北米興行成績で2億1700万ドルを記録し、『プライベート・ライアン』の2億1650万ドルを超えて、アメリカで公開された戦争映画の中で史上最高の興行収入をたたき出しておりました。

 一般的にアメリカでは、英雄を描いた物語だと思われがちですが、戦争の中で、次第に番犬としての性質を強めていくかと思いきや、ドンドンと狼に近づいて行っているという矛盾が描かれていたりと、守るために戦うという頭の中に存在している物が、次第にねじれて、何を守るために戦っているのかがわからなくなるような狂気も描かれています。

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ストーリー

 廃墟のような瓦礫だらけの街の中にアッラーフ・アクバル(神は偉大なり)という放送だけが繰り返し流されている、そんな中をアメリカ海兵隊のM1戦車が地響きを立てながら進軍して行く中で、その後方にあたる屋根の上では、特殊部隊ネイビー・シールズのスナイパーであるクリス・カイルがスナイパーライフルを手に掃討作戦の様子をじっと見守っているのでした。すると海兵隊の進路上に不審な親子見守っていた。海兵隊の進路上に不審な親子を発見したカイルは、母親が子どもにRKG-3対戦車手榴弾を手渡すのを確認し、上官に指示を仰いだものの、明確な判断は下されず。撃つのか撃たないのか苦しむことになります。その上、隣の海兵隊員は「間違ったら軍事刑務所行きだぞ」と忠告するわけです。しかし彼は結局、子どもに照準を合わせ引き金に指をかけました。

 銃声と共に時代がさかのぼり、カイルの幼少期へと戻ります。テキサス州に生まれて、厳しい父から狩猟を教わりながらすくすくと育ったカイルは、初めての狩りで鹿を仕留めた興奮によって、銃を地面に置いてしかられることになります。またある日は、弟をいじめていた巨漢を殴り倒し、カイルは地位親から「お前は弱い羊達を守る牧羊犬(シープドッグ)になれ、狼にはなるな」と教わることになるのでした。そして、カウボーイに憧れロデオに明け暮れていた物の、アメリカの同時多発テロ事件を契機として、戦争が始まり、カイルもこれに加わることにしたのでした。

 実際のイラク戦争において狙撃兵としてその才能を開花させたカイルは、大きな戦績を上げ、軍内部にて「レジェンド」と賞賛されることになります。類まれな才能を開花させたカイルは、大きな戦果を挙げたことからいつしか軍内で「伝説(レジェンド)」と称賛されるようになるが、敵からは「悪魔」と呼ばれていて懸賞金をかけられるようになります。また、後に過激派組織ISILへと変貌するテロ組織を率いるザルカーウィー容疑者を捜索する作戦へと参加したカイルは1000m級の射撃を行う元射撃オリンピック選手の敵スナイパー「ムスタファ」と遭遇し、以後何度も死闘を繰り広げる。繰り返される凄惨な戦いのなかでビグルスは戦傷により視力を失い、戦争に疑問を感じ始めたマーク・リーは戦死し、強い兄にあこがれて海兵隊に入隊した弟はイラク派兵で心に深い傷を負って除隊しました。同僚や弟が戦場で傷付き、倒れてゆくさまを目の当たりにして、徐々にカイルの心はPTSDに蝕ばまれていった。戦地から帰国するたびに変わっていく夫の姿に苦しみ、人間らしさを取り戻してほしいと嘆願するタヤの願いもむなしく、戦地から帰国するたびにカイルと家族との溝は広がっていく。

 4度目の派遣でサドルシティに防護壁を建設する工兵を狙うムスタファを倒すという任務を受けたカイルたちは敵の制圧地帯に展開し、ムスタファを捜索します。工兵を射殺したムスタファの姿を捉えたカイルは仲間に距離「2,100ヤード(1,920メートル)」と報告しますが、陸軍の第75レンジャー連隊の隊員は見えるわけがないと疑う。「ビグルスのために」と放った一発の銃弾はムスタファを貫き、彼との長い戦いはついに幕を閉じたのでした。銃声を聞いた敵が殺到する中でカイルはタヤに衛星電話を掛け「家に帰るよ」と告げる。砂嵐の中で敵の包囲を突破して、友軍の装甲車に間一髪乗車したカイルは戦場を離れていく。その跡には地面に置くなと父親に言われていたライフルや大切にしていた聖書、そしてムスタファが残され、砂に飲まれていきます。

 その後四度に及ぶイラク派遣の後、クリスカイルは海軍を除隊することになりますが、その後も戦争の記憶にさいなまれ、一般社会になじめない毎日を送っていました。その後、医者に勧められていた傷痍軍人達と交流を続けていく打ちに、少しずつ人間の心を取り戻して行くことになるのですが、ある日、退役軍人とともに射撃訓練に出かけた先で、その男に殺害されてしまいます。最後にクリスカイルの葬送の実録記録映像が流されて終わります。

キャスト

クリス・カイル ブラッドリー・クーパー(桐本琢也)
タヤ・カイル シエナ・ミラー(渋谷はるか)
コルトン・カイル マックス・チャールズ(宮澤はるな)
マーク・リー ルーク・グライムス(中川慶一)
ゴート=ウィンストン カイル・ガルナー(須藤翔)
マーテンス提督 サム・ジェーガー
ライアン・“ビグルス”・ジョブ ジェイク・マクドーマン(阪口周平)
“D” / ダンドリッジ コリー・ハードリクト(矢野正明)
アル=オボーディ師 ナヴィド・ネガーバン
スニードDIA捜査官 エリック・クローズ
スクワール エリック・ラディーン
トニー レイ・ガイエゴス
ドーバー ケヴィン・ラーチ(志村知幸)
ギレスピー海軍大佐 ブライアン・ハリセイ
ウェイン・カイル ベン・リード
デビー・カイル エリース・ロバートソン
ジェフ・カイル キーア・オドネル
サラ マーネット・パターソン
ロール教官 レオナルド・ロバーツ
ムスタファ サミー・シーク
虐殺者 ミド・ハマダ

これは見た方がいいですよ

本作のヒットと論争

 本作は大ヒット作となったこともあって、アメリカでは多くの著名人がそれを鑑賞し、感想を述べています。しかし、その作品の内容によって保守派とリベラルとの間に大きな論争が巻き起こってしまうのでした。特に保守派の陣営は「愛国的で、戦争を支持する傑作」と好意的に評価している一方で、有る人物はイングロリアスバスターズのナチスのプロパカンダ映画と本作を比べているという疑惑により、炎上してしまいました。また俳優のロブ・ロウと政治家のニューと金繰りly土らが厳しい批判を行い、結果として、ミシガン州のレストランの店員が二人を入店禁止にすると発表して大きな騒ぎになりました。

 ちなみに、イーストウッド監督本人は、「『アメリカン・スナイパー』は仕事軍人や、海軍の将校、何らかの事情で戦地に赴いた人々を描いています。戦場では様々なことが起こるという見方以外に、政治的な価値観は反映されていません。」とコメントしています。ちなみにイーストウッド監督は共和党支持者として知られていますが、イラク戦争には一貫して反対の立場を取っている側面もあり、特に保守、リベラルと一方に偏らない作品になっていたと私は思います。